見ました

アニメ最終回見ました。

見た感想としては、初めて最終回を読んだときより腑に落ちて受け止められた気がします。今は意外と自分自身落ち着いています。

アニメ化にあたっての変更点は、この2年間諌山先生もずっと考え続けてきたんだろうなと感じました。漫画の最終回後の感想でなるほどと思ったのが、描く順序は大事だ、というものでした。例えば「あの人は時間にルーズだけどいい人だ」と言うのと、「あの人はいい人だけど時間にルーズだ」と言うのでは意味が変わりますよね。エレンがした虐殺の描写の後に、仲間がそれを受容してしまうという流れは、意図せずとも物語の持つメッセージになってしまっていたように思います。(諌山先生がそう言った思想を持っていないこと、アルミンや仲間たちが虐殺を肯定したわけではないことはもちろん理解しています。)今回の変更ではエレンの罪をぼやかさないこと、アルミンが最後までその罪を見つめていることがはっきりと描かれていたんじゃないかと思います。

私自身の話をすると進撃をずっと追っていた理由の一つが、これだけ大きな作品が社会に与える影響の結果を見届けなければいけないというものでした。現実から物語は生まれ、物語は現実に影響を与える。表現することには責任が付きまとう。インタビューなどから察せられる諌山先生の衝動と、求められる社会的責任の葛藤の結果、選ばれたのは衝動を貫くことだったと私は思っています。最終回を読んだとき、私はそれにすごくショックを受けてしまったんですよね。もちろん描くことの自由はあって、それは否定できないことです。でも私は社会を選んでほしかった。でもこれも私の勝手な期待で、諌山先生はずっと一貫しているんですよね。エレンがしたかったことや諌山先生が描きたかったことは、ある意味個の自由の肯定ではあると思います。とはいえそれが与える影響って…、というのがショックを受けた理由でした。もちろん進撃が語ってきたことがそれだけじゃないことは理解しています。でなければハンジさんのセリフもないし、みんなあんなに必死に虐殺を止めようとしないですから。でも、やっぱり踏み潰された人たちのことを考えてしまいますね…。

とはいえ、葛藤しつつも穏やかに受け止められているというのが今の状況ですかね。最終回、見てよかった。